この本は、長期投資によって経済的な自由を手に入れた著者の、投資のマインドや手法を解説した本である。
彼はアメリカを舞台として投資手法を記しているが、日本においても十分通じる内容である。
私はこの本を含め、10冊程度の投資に関する本を読んできた。この本にも、他の本にも共通して書かれていた内容をまとめてみた。
- 借金は絶対するな。ローンも借金のうちに入る。今、ローンをしている人は利息3%なら投資を優先する。それ以上ならなるべくローンを返すのに力を注ぐ。
- 収入の最低でも3割以上はどんなことであろうと投資へ回せ。
- 投資のタイミングは今。タイミングを探る必要はない。短期的な相場の上がり下がりは誰にも予測できない。
- 投資手法で最強はインデックスファンドである。
- 投資に成功したら、配当金や投資金額の引き出しで生活できるようになる。
また、この本にしか書かれていない点もまとめてみる。
- 投資のアドバイザーを近づけるな。ただ金を取られるだけ。
- 投資はシンプルに行こう。株式インデックスファンドに全て注ぎ込もう。引退間近でリスクを負いたくない場合は、債権に少しずつ投資していこう。
- インデックスファンドを設立したバンガードに投資するのがベター。
- 投資生活ができれば、寄付することも有り。
特に、投資はシンプルに行こうという内容が響いた。どういうポートフォリオで資産を形成していこうか悩んでいたところだ。悩む時間があれば、その時間で他の生産的なことに費やすべきである。
ポイントをまとめてみたが、細かいところで様々な学びがあったし、きちんと根拠を示しながらわかりやすく説明してくれた著者の頭の良さが伺える。
そして、何よりも私自身が懸念していた疑問に答えてくれていたことも印象深い。
それは「インデックス投資で本当に勝てるのか?」ということだ。
著者は、それに対する答えを記してあった。要約するとこんな感じである。
インデックス投資もリスクはある。それは、株式市場が基本的に上昇することを前提としていることを前提としているからだ。もしも、この地球に信じられないくらいの大打撃が起こった場合、インデックス投資が破綻する可能性はある。しかし逆に考えると、投資せずに現金を持ち続けることもまたリスクである。それは長期間持ち続けることによって何も現金という価値が変わらないというリスクである。
なるほど。何もしないということもまたリスクなのである。長期投資にはそれなりの覚悟が必要であるが、現金を持ち続けるというリスクに比べれば、楽な選択なのかもしれない。